これらの株券は、第二次世界大戦後の経済改革の中で、企業再建整備法などに基づき法的に無効化されたものである。戦時補償の打切りや海外資産の喪失により、多くの企業は実質的に破綻状態となり、政府は旧会社の整理と新会社への移行を進めた。その過程で旧株式は減資・消滅し、株券は証券としての価値を失った。
とりわけ、満洲・樺太・朝鮮など旧日本勢力圏に資産や事業基盤を持っていた企業は、敗戦によって現地資産・鉄道・鉱山・工場・金融機関などを一挙に喪失した。南満洲鉄道株式会社(満鉄)をはじめ、多くの外地企業や関連会社は事業継続そのものが不可能となり、清算・整理の対象となった。その結果、これら地域に関係した株式や社債も法的効力を失い、現在では金融証券としてではなく、帝国日本の拡張と崩壊、そして戦後経済再編の過程を伝える歴史資料となっている。
今日残る無効株券は、単なる紙片ではなく、戦時経済・植民地経営・敗戦・占領政策・財閥解体・戦後復興といった激動の時代を物語る一次資料である。